【練習案】5000mで20分を切ってみる。
長距離と言えばマラソン。
でも実際にマラソンを走る方でも、今の実力を知るために5000mのタイムは意識すると思います。(マラソンは回数も少ないし、参加費も高い)
そこでタイトルの5000mを20分で走ることは一つの目安になると思います。
※サブスリーペースが4分15秒/kmペース
そこで、どうやったら20分を切れるか体験談を踏まえて書きたいと思います。
- 【自分の体験談】
- 【きっと慣れるまではシンドイ】
- 【走歴は長いけど、5000mで20分は切れない】
- 【長距離トレーニングのアプローチ】
- 【効果的な練習法】
- 【練習の設定タイム】
- 【練習のバランス】
- 【練習例】
- そもそも、有酸素能力が十分に鍛えられているか?
- レースではスパイクを履く?シューズを履く?
- 【まとめ】
【自分の体験談】
自分が高校生の時の練習の大半が「ペース走(8000~12000m)」で、高校から陸上を始めた自分にとって最初はこの練習が一番嫌いでした。
200mトラックで練習していたので4分00秒/㎞は200m48秒ペース。
ほぼ素人の自分にとっては高速で、先輩や同期にもついていくことができませんでした。
※焦って練習しまくって、シンスプリントと膝を怪我しました。
結局、4分00秒/㎞のペースで8000mのペース走ができるようになったのは、高校1年生の冬(1月くらい)。それまではずっと1人で練習していました。
きつい練習を一人でやる。インターバルなどは休息時に追いつけばいいので、いいんですが、「きつい練習を一人でやる」メンタル的にもきつかったです。
【きっと慣れるまではシンドイ】
「高校生」ということもありますが、スピード練習もしながらということもありますが、ようやくまともに「体力」がついた結果だと思います。
簡単に言うと、「4分00秒/㎞のペースで走ることを目標」に頑張って、
9ヶ月かかったという感じです。
それからは4分00秒/㎞で走ることが当たり前になって、タイムも順調に伸びていきました。
実際に、高校2年生の秋ごろには12000mのペース走は3分30秒~3分40秒、
冬には3分30秒を切るペースでラスト1000mは3分切りとかもできるようになったので、
4分00秒のペースに慣れれば、スピードはつけやすいと思います。
【走歴は長いけど、5000mで20分は切れない】
結論から言うと、スピード練習不足です。
実際にポイント練習以外の日はジョグを行っていますが、ペースは5分00秒~6分00秒/㎞くらいです。
※基本はリラックスして走っていますが、ペースを上げても少しハァハァする程度です。
ただ、ポイント練習はスピードをかなり意識しています。
1000mは基本2分50秒かからないように意識しつつ、400~600mのレぺテーションを行ったり、1600~2000mを3分00秒/㎞で行っています。
おそらく、
スピードを上げることでの余裕分
+
日々のジョグでの有酸素能力
で今では3分20秒/㎞で10000m~15000mは走れるようになりました。
【長距離トレーニングのアプローチ】
トレーニングのアプローチは
◎ロングJOGなどをメインにして、たくさん走り体力をつける
◎短い距離(~3000m)のスピード練習を行ってスピードに余裕をもつ
◎上記のミックス
上述の通り、走歴が長いのに20分を切れないのであれば、
長い距離を走る体力はあるけど、スピードを上げたときに体が対応できていない
ということになります。
体にとって、たくさん体力がある(有酸素能力が高い)のと、
スピードを上げても走れるはイコールではないのです。
【効果的な練習法】
5分00秒/㎞のペースでマラソンを走れても、5000mを20分切れないのはそのためです。
メカニズムは少し複雑ですが、掻い摘んで言うと、、、
体にはこのペースより上げると体が急に重くなる、というポイントがあります。
いわゆる「乳酸」や「LT値」という単語が出てくるんですが、、、
結論から言うと、
「急に体が重くなる」少し手前のペース(LT値)で頑張る。
ということです。
あとは純粋に体力とスピードを上げる、インターバルトレーニング
を取り入れることが重要です。
いわゆる最大酸素摂取量を鍛えるトレーニングです
※単位時間当たりの酸素の消費量
エネルギーを取り出すのに酸素が必要で、その酸素をどれだけ使うことができるか
➤ 同じ時間でたくさん酸素が使える=体力がある!
という感じです。
この2つのトレーニングが5000mのタイムを上げるポイントです。
【練習の設定タイム】
ダニエルズのVDOT表の計算によると、設定は以下のようになります。
ジョグのペース
:5分08秒~5分26秒/㎞
マラソンのペース
:4分32秒/㎞→マラソン:3時間11分24秒
ハーフマラソンのペース(LT値)
:4分15秒~4分21秒/㎞→ハーフ:1時間31分54秒
インターバル(最大酸素摂取量)5000mのペース
:3分55秒~4分00秒/㎞
レぺテーション(スピード練習)
:3分40秒
【練習のバランス】
もちろんマラソンを走る方もいると思いますので、日々の練習を全部入れ替えることは推奨しません。
ただ、距離が短くなることにインターバルを、長くなることにロングJOGのバランスを増やしていくのがオススメです。
ちなみにしばらくはマラソンを走る予定がないので、20km走などのロング走は月に1回くらいしかやっていないです。
特に直近で2.6㎞の駅伝があるので、やるとしたら2月から月2回くらいでしょうか。
【練習例】
LTペース走
だいたい20分~30分くらいで連続でLT値付近で走る
➤かなりシンドイので、同じペースで5分走って1分休息・・・を4~6セットやるのがオススメです。
インターバル
1000m3分55秒~4分00秒で5本~8本(休息:1~3分)
➤かなりシンドイので、休息を最初は多めにとってペースに慣れてから、休息をどんどん短くしていきます。
人によって、目標によってバランスも変えていきます。
今から5000mを頑張りたい
まずゆっくり走るところから始めて、10㎞~15㎞くらいを確実に走れるようになってから、
少しずつLTペースとインターバルを取り入れると思います。
マラソンメインだけどスピードも上げたい
1週間のトレーニングに1度LTペースかインターバルを取り入れ、週ごとに交互に行うといいと思います。
春頃に5000mのベストを更新したい
週3回ポイント練習を行うように設定して、週3回LTペースとインターバルを入れます。
人によって課題は違うと思うので、
・スタミナに不安ならLTペース
・スピードに不安ならインターバル
というようにバランスを見て練習するといいと思います。
たまに、レぺテーショントレーニングを行い、スピードに磨きをかけると、余裕が生まれます。
そもそも、有酸素能力が十分に鍛えられているか?
5000mは高い有酸素能力が求められる競技です。有酸素能力が高くないと、LTペース走やインターバルのトレーニング効果が向上しません。走歴が長くてもペースが遅すぎたり、走る距離が短かったりすると有酸素能力は向上しないので注意が必要です。
有酸素能力が高いと、体内の血管が発達しより多くの酸素を効率良く運ぶことができます。また、細胞内のエネルギーを生み出すミトコンドリアの数も増えます。
インターバルやレぺテーションなどのスピードトレーニングは、ミトコンドリアの性能を高める効果があるため、ミトコンドリアが増えた状態で行った方がトレーニング効果は高くなるのです。
無酸素能力を高めるトレーニングは、筋肉だけでなく内臓などにも大きな負担をかけるため、連発していると故障だけでなく体調を崩したり、モチベーションの低下を招いたりします。
5000mで結果を残したい場合は、基礎体力の土台を作るためにロングジョグを一定期間行うことが大切です。※理想は120分~150分、週に160km
細かい仕組みなどはこちらから。
レースではスパイクを履く?シューズを履く?
5000mは長い距離を走るため、なるべく脚の負担を軽くできるように考えることが大切です。例えば、スパイクを履いていてラストスパートができなかったり、脚が重くて後半失速する場合は、スパイクが負担になっていることがあります。
しかし、シューズの規定が変わったことにより、25mm以上の厚さのシューズは使えなくなりました。そのこともあり、現在のシューズメーカーは厚底中心のシューズを扱うようになっています。
もし、スパイクの負担が課題の方は、少ない選択肢の中から薄底のシューズを選ぶか、負担が少ない長距離用のシューズを選びなおすのが良いでしょう。
アディゼロタクミセン(アディダス)
タクミセンはWAのシューズ規定でもトラックでの使用が認められています。今までよりもミッドソールに使われているマテリアルが大きく変わり、中足部のプレート(鳥ションシステム)によって安定感や反発力が高くなっています。
ロードレースだけでなく、5000m・10000mのトラックレースやスピード練習でも活躍するシューズです。
アディゼロ アバンチ(アディダス)
同じくアディダスのスパイク「アディゼロ アバンチ」。2017年・2019年の世界陸上5000mで2連覇したエチオピアのエドリス選手が履いているスパイクです。
ソール全面にクッション・反発力が高いブーストフォームが使われており、脚の負担を抑えられるので速いスピードを維持しやすいです。
ズーム マトゥンボ(ナイキ)
ドラゴンフライ以前は、多くのナイキユーザーが使っていた長距離スパイク。履き心地はスパイクというよりかはシューズに近い感覚で、とにかく軽い(25.5cmで99g)。
ドラゴンフライが手に入りにくい状況なので、それまではマトゥンボで頑張るのもアリだと思います。
クロノディスト(ミズノ)
※参考にした書籍
・ランニングとトレーニングの基礎知識を把握できる
・自分の走力や目標に合わせた練習メニューの組み立て、ペース設定ができる
・練習の目的を理解できるため、練習の効率が上がる
モチベーションが下がったときにもおすすめです。
【まとめ】
今よりもタイムを縮めたいのなら、ペースを上げた練習をする他ないです!
人によって長距離を走るモチベーションが違うので、何とも言えないんですが、
上述のポイント練習はきついので、誰かと一緒にできたらいいと思います。
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