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【食虫植物】やさしいウツボカズラの育て方

ウツボカズラ

最近では、ホームセンターなどで食虫植物をよく見かける季節になりました。もしこれから食虫植物を育てようとしている方であれば、ウツボカズラがおすすめです。

ウツボカズラは魅力的な見た目以外に、育てやすく成長が早いので見ていて飽きません。また。条件さえ揃えば大きな袋をつけることもできます。 

そこでここからは、ウツボカズラの育て方について紹介します。袋を大きくするコツにも触れるので参考にしてみてください。

【最初に】失敗しないコツ 

ウツボカズラは食虫植物の中でも比較的丈夫な種類です。しかし、場合によっては生育不良になってしまい枯れることがあるので、注意することが大切です。ウツボカズラを育てる上で押さえておきたい失敗しないコツを先に紹介します。

用土は水苔を使用する

ホームセンターなどで販売されているウツボカズラはじめじめした土が使われていることが多いです。この用土は今までの経験上、水はけが悪く育てにくいです。

そのため、ウツボカズラを購入した後は、なるべく早く植え替えをするのがおすすめ。そのとき使う用土は水苔を使います。水苔ウツボカズラの根が張りやすく、水はけは良いのに保水性は十分にあるからです。

次の見出しでも触れますが、水を十分にあげておけばしばらく水をあがられない状態が続いても枯れるリスクは少なくなるでしょう。

できるだけ水が切れないようにする

ウツボカズラを元気に生き生きと育てたいのであれば、水を十分に与えることが大切です。水を十分に与えて育てることで葉が大きく育ち、株自体が大きく元気に育ちやすいです。ウツボカズラは高温多湿を好む傾向にあるため、できるだけ水が切れないようにしましょう。

光量を十分に確保する

ウツボカズラは光も好みます。そのため、できるだけ日当たりが良いところで育てるのがおすすめ。しかし、夏など強い日差しを長時間当てていると、葉が日焼け(葉焼け)してしまいます。

葉焼けすると緑色が徐々に薄くなり、黄色に変わってやがて茶色く枯れてしまいます。また、日差しが強いと株が乾燥するリスクも高くなるので注意しましょう。例えば、午前中だけ外に出しておいて、昼頃になったら家の中に入れるなど工夫が必要です。

自室は日光が届かない配置であるため、植物用のライトを当てています。光量は6,000~10,000luxは安定して確保できるので、十分に生育します。

ウツボカズラの基本的な育て方

ここからはウツボカズラの基本的な育て方を紹介します。

日光・置き場所

先程の通り、ウツボカズラは日当たりが良い場所を好むので、十分な光量を確保することが大切です。ただし、夏など日差しが強い場合は遮光する必要があります。

葉の色が薄くなっている場合は日が強すぎです。葉と葉の間隔(節)が長くなっている場合は、徒長しているため光が足りていないと判断します。

温度

ウツボカズラは高温多湿の気候を好み、生育温度は15度以上35度くらいまでです。大体20度~25度くらいで生育が良くなります。冬の間は屋内で管理するようにして、10度以上に保つようにすることが大切です。

湿度

湿度は50%以上が目安です。冬場で乾燥しやすいときは、スチーム式の加湿器を近くに置くと温度と湿度を同時に確保できるのでおすすめです。冬以外であれば、小まめに霧吹きをして湿度を保てば問題ありません。

水やり

基本的には用土である水苔が乾燥しないように水を管理します。冬場で温度が低くなると生育が鈍くなるため、水苔の表面が乾いたころに水をあげるようにすると良いでしょう。夏場だと置き場所によっては株や水苔がすぐに乾いてしまうので、なるべく小まめに水をあげます。

水耕栽培することもできるため、比較的に根腐れに強いですが、あまり水分量が多過ぎると水苔が腐ってしまい株に悪影響を与えてしまいます。

水分の管理が難しくなるので素焼きの鉢は使わないようにするのがおすすめです。

意外と根っこはしっかりと張る

ウツボカズラ 根

ウツボカズラを育てて1年ほど経過した段階で植え替え・株分けを行いました。写真の通り、鉢の底まで根が伸びています。後述しますが、袋のことも関係しているので深めの鉢を使うのがおすすめです。

食虫植物は基本的に根が弱い 

食虫植物はウツボカズラ以外にもハエトリグサなども含めて、基本的に根が弱いです。用土の栄養が乏しい環境で生育しているため、捕虫器官が発達しています。そのため、食虫植物は根から栄養を摂るのが苦手であり、肥料などを与えると栄養過多でダメージを受けてしまいます。

このように食虫植物は根が弱いというのが通説であったため、植え替えのときにしっかりと張った根を見て意外に思いました。実際に、水苔を取るのに苦労したほどです。 

大きな袋をつけるための条件

ウツボカズラ 大きな袋

このウツボカズラを購入したときに始めからついていた袋は5cm~7cmほどでした。その後、さまざまな情報をもとに株の管理を行った結果、2月という季節にも関わらず12cm・15cmなど10cmを超える袋を多くつけるようになりました。

ここからはウツボカズラに大きな袋をつけるための条件を紹介します。

①株を大きくする

 株が小さいと袋も小さい傾向にあります。これは、育てていると子株が3つできましたが、その内一番小さい株の袋は大きいものでも7cmほどにしかなりませんでした。

ウツボカズラの株が小さいのに大きな袋をつけると、葉が袋の重さに耐えられなくなるため、袋も小さくなると考えられます。

袋を大きくするために、まずは生育期にしっかり日光と水を与えて株を大きくするようにしましょう。基本的に水を多めに管理することで葉は大きくなります。

②土中水分を少なめにして空中湿度を高める

仕組みは分かりませんが、土中の水分が多いと葉が大きく生育しますが袋を作らなくなります。株の大きく成長して生育が安定してきたら、水やりの量を少なくして空中湿度を高めるようにします。

湿度が40%以下になるようであれば加湿器を使いましょう。それ以外は霧吹きを小まめに行えばOKです。

また、水を抜きすぎると枯れてしまうので、少なくとも月に1回は与えます。

それ以外で袋が多い場合は、袋に直接水を与えるようにします。袋の水が多くなっても一定量になるまで吸収するので問題ありません。

ウツボカズラ 袋

むしろ、ウツボカズラの中では根よりも袋の方が丈夫にできているので積極的に与えると良いでしょう。 写真のように袋が大きくなる鉢よりも下の位置にきてしまうことがあります。吊るす方法もありますが、同じサイズの鉢を逆さにして底に置くことで高さを確保できるのでおすすめです。

③液体肥料を袋に与える

 袋を大きくするためには日光や水分以外にも生育に関係している栄養が必要です。しかし、先程の通り、根は弱いので肥料を用土に与えてもあまり効果はなく、むしろ根を傷めるリスクの方が大きいでしょう。

そこで、おすすめなのが薄めた液肥を袋に直接与える方法です。こちらも液肥が濃すぎると袋を傷める原因になるので、できるだけ薄くしましょう。個人的には薄っすらと水に色がついている程度で効果が出ています。スポイトを使って液肥を袋に与えるだけでOKです。使っている液肥ハイポネックスです。

ウツボカズラの袋のできかた

ウツボカズラの袋は葉の先にできます。育てたことがない方は、茎の部分からツルが伸びて袋ができると思っている方が多いみたいです。(自分もそうでした。)

基本的に葉が生まれたときから先端に袋の原型が既にできていて、ツルが伸びたり先端が膨らむことで袋を形成していきます。 

葉の先が膨らんでくる

ウツボカズラ 葉の先

写真のようにある程度ツルが伸びた葉の先端が少しずつ膨らんできます。このとき既にウツボカズラの袋のような形をしています。 

さらに葉の先が膨らんでくる

ウツボカズラ 葉の先

さらに大きくなると袋とツルの部分が折り返り、袋の口の部分が上を向いてきます。このときまでは、まだ袋は平らな状態で全体が大きく成長していきます。 

袋ができてきて蓋が開く

ウツボカズラの袋

袋ができてくると中に空気が入りさらに膨らんできます。実体験ですが、この状態でもまだ袋は大きくなり続けています。

ほぼ袋が完成すると、蓋が開きます。口の周りの部分(蜜が出るところ)が折り返ると完成です。袋が大きくなり始めて1ヶ月ほどで完成することが多いです。

ウツボカズラ 袋の口

ウツボカズラの増やし方

ウツボカズラは株が大きくなり生育が安定してくると簡単に増やすことができます。

ここからは、ウツボカズラの増やし方を紹介します。 

剪定後の挿し木

ウツボカズラが大きくなってくると上に成長して下の葉が枯れてくるため、ひょろ長くなります。長くなったときは、適度に剪定すれば形を綺麗に保つことができ、剪定した枝は水に浸けるか水苔に挿すことで発根して増やせます。

発根には1ヶ月~3ヶ月ほどかかります。挿し木の間は水分を吸収する能力がかなり低いので、水苔が乾燥しないように十分水を含ませることが大切です。

子株が大きくなったら株分け

ある程度株が大きくなると、ウツボカズラの根元からミニウツボカズラが出てくることがあります。自分の場合は、育て初めて3ヶ月くらいで3株出てきました。

この子株が大きくなり生育が安定してきたら、株分けすることで増やすことができます。 

ウツボカズラを育てるデメリット 

ウツボカズラは育てやすく、野菜や果物でいう「花」や「実」ができるように「袋」ができるので、育てがいがある植物です。しかし、ウツボカズラを育てるときにはいくつかデメリットがあるので注意しましょう。

ここからは、ウツボカズラを育てるデメリットを紹介します。実際に育てるか決める参考にしてみてください。

かなり大きくなる

ウツボカズラは生育環境が良いとかなり大きくなります。

ウツボカズラ 小さい株

こちらは、今年購入した違う株ですが、最初はこれくらい可愛いサイズでした。

このサイズのウツボカズラを育てて1年経たない内にこれくらい大きくなります。 

ウツボカズラ 親株

大きくなってきて袋が増えてくると、植え替えの手間や鉢を高くする手間がかかります。何よりも、大きくなることでその分光も必要になるため、置き場所にも困ります。 

勝手に増える

ウツボカズラ 子株

こちらの写真は元々1つの鉢にあったものです。親株から3つの子株が出てきて成長した結果です。

子株が大きくなるとそれぞれが光を求める競争が起きるため、徒長しやすくなります。暖かくなってきたら株分けするようにしましょう。また、場所が取られてしまいますが。 

ウツボカズラを育てるときの注意点

ウツボカズラを育てるときにはいくつか注意点があるので紹介します。 

株分け・植え替えをすると袋は枯れる

10cm以上の立派な袋が10個以上(合計4株合わせて)できましたが、株分けをしたら全部枯れてしまいました。これは、おそらく水分が足りていなかったんだと思います。

子株が立派に成長していても、自分の根を張っているわけではなく、親株の地下茎に依存している状態だからです。

この状態の子株を親株から離すことで、水分を十分に吸えなくなります。維持するのにエネルギーが必要である袋は優先的に枯らそうとします。もし袋が立派に良い状態で育っているときで、その状態をキープしたいときは株分け・植え替えは控えた方が良いでしょう。

液肥と虫は同時に与えない

食虫植物は栄養が不足している土地で育ち、虫を栄養にするように進化してきました。しかし、食虫植物の種類によっては虫を与えすぎると良くないものもあります。

ウツボカズラの場合、落とし穴式なので比較的虫が多く入ったとしてもダメージは少ないですが、与えすぎは禁物です。自然に入る量であれば問題ありませんが、液肥を袋に与えているときは、虫は与えすぎない方が良いでしょう。

また、ウツボカズラは袋の内部に消化液を分泌しますが、その内容はほぼです。少しタンパク質を溶かす酵素を含んでいるほどであり、完全に虫を溶かすことはできません。入っている虫の量が多いと栄養になるまでに時間がかかる他、入っている虫にカビが生える原因にもなります。

入っている虫にカビが生えると、やがて袋にまでカビが移ってしまい袋がダメージを受けてしまうので注意しましょう。液肥の場合は分解する手間が省けるため、吸収効率が良く水分も同時に補給できるのでメリットが多いです。

まとめ 

ウツボカズラは食虫植物の中では育てやすい種類です。ホームセンターで買ったときよりも大きな袋ができるとかなり嬉しいです。しかし、生育が安定するまでには時間がかかったり、日光を好むので徒長しやすいなどの特性があるので注意しましょう。

興味がある方は是非、育ててみてください。