ランニングはトレーニングだけじゃない
体重は変わりませんが、キロ5分くらいで5kmくらいは走れるようになりました。
10kmを通しで走るのはまだきついです。
さて、タイトルの件ですが、『ランニング=体を鍛える』というイメージが強いですが、コンディショニングとしてのランニングもあります。
長距離選手・マラソンランナーであれば
「休養日にもジョグをする」
「ジョグをして疲労を取る」
というようなことを聞いたことがあるはず。
ただ注意が必要なことは、
この言葉を鵜呑みにしてはいけないこと。
何も考えずにジョグをしていれば怪我をするかもしれないこと。
だと思います。
多分、高校生くらいのときは、とにかく速くなりたかったので、
↑のようなことを聞いたら休養日でもガンガン走っていたと思います。
今回は、大学陸上部で教えてもらった技術的なことで一番使える内容である
「疲労抜きジョグ」について紹介したいと思います。
この疲労抜きジョグは、コンディショニングの側面が大きいので、陸上競技以外のスポーツにも応用できるはずです。
『ジョグ』は意味が広い言葉
ジョグというのは幅広い意味を持つ言葉だと思います。
その人の競技レベル・体調・目的、、、
などによってジョグの内容は柔軟に変えていかなければならないと思います。
これは、瀬古さんも本の中で次のようなことを言っています。
生涯トレーニングをしていくなかで、大半を占める練習はジョグである。軽んじてはいけない。
ジョグは、ただ走ればいいというものではなく、レースで結果を出すためにはとても重要な役割を果たすものになる。
だから、「ジョグは〇〇である」というものはなく、その場の状況に対応できるように考えて走ることが大切。
例えば、休養日と決めていた日に、普段の練習と同じペースでジョグをしても疲れは取れません。また、同じ距離(10km以上とか)でジョグをしても疲れは取れないでしょう。
少なくとも疲労回復が目的であれば、ペースを落とし距離も短くすることが重要です。
『疲労抜きジョグ』とは?
※ここで説明する『疲労抜きジョグ』は一般的なものではありません。あしからず。
名前の通り、疲労を回復することを目的にしたジョグのことです。
「積極的休養(アクティブレスト)」について調べたことがある方であれば、内容はご存知かもしれませんが、
人は寝てるだけ、ゆっくり過ごすだけよりも、軽い運動をして血行を良くすることで筋肉をほぐしたり、筋肉中・血中の疲労物質を除去したりできる、というものです。
ここで問題になるのが「軽い運動」の『軽い』という部分です。
この「軽い」運動強度を見誤ると、休養の効果が得られないと思います。
実際にアクティブレストは、100%疲労回復に作用するものではなく、
アクティブレスト(運動)による疲労 < アクティブレストによる疲労回復
という式が成り立つので、結果として疲れが取れるんだと思います。
感覚的には、疲労:回復=3:4 くらいです。
運動強度が高くなると(自分ではそんな感覚がなくても)
アクティブレストによる疲労(運動) > アクティブレストによる疲労回復
という式(疲労:回復=4:3)になり、疲れは溜まる一方です。
『疲労抜きジョグ』とは、強度をできるだけ低くして回復の効果を高めるのが目的です。
イメージとしては 疲労:回復=1:4 という感じです。
ペースは歩きよりも遅め
疲労抜きジョグのペースですが、歩きと同じくらいかそれ以下です。
正直、走っているのかどうかわからないペースですが、歩きではないフォームで走ることが大切です。
普段から走っていない人にとってはかなり難しいペースです。
教えてもらったトレーナー曰く「慣れるまでちゃんとできる人は少ない」そうです。
それは、ジョグという感覚でいると勝手にペースが上がってしまうからです。
慣れていないと「ゆっくり走ることができない」のです。
実際に、意識してゆっくり走ろうとしても、ふと気づくと歩きより速くなってしまいます。
このジョグは鍛錬が目的ではないので、普段のジョグの感覚を捨てる必要が大切なのです。
前もも(大腿四頭筋)を使わないイメージがポイント
走る・歩く動作では少なからず大腿四頭筋を使っているので、完全には無理ですが、
前ももの筋肉を極力使わないようにジョグをするイメージがかなり近いです。
もっと具体的にいうと、リズミカルで歩きよりも遅い「足踏み」みたいな感じです。
できるだけ体全体をリラックスさせ、太ももを極力上げないようにしてジョグをします。
気持ちもリラックスすることも大切
『疲労抜きジョグ』の最大の目的は疲労回復ですが、疲労は肉体的なものだけでなく、精神的なものも含まれます。
普段と違って歩きよりもゆっくりジョグをするのは、慣れていない方からするとかなりストレスになると思います。不快感があると疲労回復の効果を高めるのは難しいでしょう。
できるだけ気持ちをリラックスさせて、心地良く走ることも大切です。
例えば、好きな音楽を聞きながらとか、景色が良いコースを選ぶとか。です。
『疲労抜きジョグ』が活躍するシーン
『疲労抜きジョグ』は休養日のアクティブレスト以外にもかなり使えます。
疲れが取れるということは、全身の血行が良くなり体が温まるということです。
つまり、レース前のウォーミングアップや練習後・レース後のクーリングダウンなどにも使えるのです。
疲労が溜まらないので、コンディショニングとしても有効なのです。
ベストを出したときは、アップで疲労抜きジョグをしていました。もちろん、レースが近づくにつれてペースを上げたり、流しをしたりすることもあります。
体を温めたいとき、その日の調子を知りたいときなどにも使えます。
もし、体の調子を整えたい(スポーツ的な意味で)場合は、
めちゃくちゃゆっくり走ってみるのもおすすめです。